上山崎雅泰
岡山県赤磐市は10日、特別養護老人ホーム「まごころの里 赤磐」(同市西軽部)で、複数の職員による入所者への身体的・精神的虐待が確認されたと発表した。市は介護保険法に基づき、運営する社会福祉法人「まごころ」(難波秀之理事長)に対し、8月1日からの半年間、入所者の新規受け入れを停止する行政処分をした。
4月に市に通報があり、立ち入り調査していた。市によると、昨年12月ごろ、職員が車いすでうとうとしていた入所者に声かけをせず、通常より速いスピードで車いすを押して段差でつまずき、入所者を転落させた。また、トイレ介助が必要な入所者に「自分で行けるじゃろ」「お金を出せ、高いぜ」と言う心理的虐待や、ガーゼ交換を1週間怠った結果、患部が悪化するネグレクト(介護放棄)があった。
こうした虐待は数年前から今年4月まで、職員4人が入所者8人に対し計17件確認できたという。市は行政処分するとともに、8月9日までに改善報告を求めた。ただ、積極的な加害行為は確認できなかったとして警察への告発はしていないという。
友実武則市長は「弱い立場にある入所者に対する虐待は決して許されるものではなく、誠に遺憾。他の事業所も含め、適切な運営がなされるよう厳重に指導していく」とのコメントを出した。(上山崎雅泰)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル